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2007年4月 5日 (木)

巨石巡礼(1-1)~奈良県山添村~

          巨石巡礼記(1-1) ~奈良県山添村~                              

 一昨年末、インターネットで、『石』に関するホームページを検索中に、たまたま「イワクラ(磐座)学会」のあることを知った。入会申し込みをしたのは、昨年7月3日である。早速、入会の了承通知と、少し経ってからツアーの案内のはがきが届いた。

 しばらく行くかどうか思案したが、書斎に閉じこもるだけでなく、新たな世界へ一歩踏み出すのも良いことではないかと思い直して、締め切りの日、電話で参加申し込みをした。 8月5日(土)午後1時、近鉄奈良駅近くの商工会議所前が集合場所であった。駅の地下で、おいしかった和食の昼食を済ませ、地上に出たが、焼けつくような陽射しであった。近くに興福寺があるらしかったが、時間もなく見学はできなかった。さすがに観光地奈良だけあって、たくさんの観光客で賑わっていた。

 わたしが最初に到着したが、次第に参加者らしい人が集まってきた。そして、定刻頃に、今回の世話人である山添村いわくら文化研究会会長の奥谷和夫氏(村議)が仕立てた山添村からのマイクロバスがやってきた。 総勢12名(男11名、女1名)によるツアーとなった。後からわかったことであるが、東は神奈川県、西は広島県からの参加があり、岡山県からは私を含め3名であった。

 最初、資料をもとに奥谷氏から、手短なツアーの趣旨と日程の説明があったが、あとは隣り合わせの人との会話を楽しみながらの旅となった。バスの最後部に座った私の隣は、神奈川県からの40歳前後と思われる歴史に詳しい男性であった。相当に、全国の巨石巡りをされているように思えた。

 バスは木々の繁る細い山道を数十分曲がりくねりながら進み、山添村に入っていった。  古くは東大寺領だったといわれる山添村は、昭和31年に東山村、波多野村、豊原村の三村合併で出来た村であるが、近年の全国的な市町村の合併ブームの中で、近隣の町村が奈良市等と合併する中で、住民投票によって、今後とも自立の村づくりを進めていくことを選択した村である。奈良県の北東部、三重県との県境に接し、人口約4600人、面積66平方キロメートルで、周辺は奈良市、宇陀市、伊賀市、名張市に囲まれている。村の中央を名阪国道(国道25号線)が通り、大阪まで約1時間、名古屋まで1時間半の距離にある。 村内には、神野山(標高約六百十八メートル)、茶臼山(約五百三十五メートル)、高塚山(約五百七メートル)という3つの代表的な山がある。他にも多くの山々があり、村は、全体的に山間の多数の集落からなっているようで、広々とした平地は、ほとんどみられず、あちらこちらにある山または丘の斜面を利用した茶畑の多さに驚いた。そして、それが茶畑特有のおだやかで美しい景観を呈し、村の風景を至極好ましいものとしていた。とれた茶は、宇治茶にも原材料を提供しているようだが、多くは高級な大和茶となっているとのことである。 

 ところで、山添村では、「いわくら文化」再興を通じて、ひとつの村おこしをしているようにも感じられたのであるが、この、きっかけを作ったのは、現在「イワクラ(磐座)学会」の専務理事をされておられる都市計画家柳原輝明氏が、山添村の村づくりの基本となる総合計画に関わりをもたれたことにあるようだ。

 氏の略歴を記した一文につぎのような一節がある。「総合計画策定のおり、村内に点在する巨石に惹かれる。特に神野山に存在する巨石群と天空の星との相関関係を偶然発見し、イワクラ研究にのめりこむ(『イワクラ~巨石の声を聞け~ イワクラ(磐座)学会・編著 遊絲社』より)」 

 山添村では、以前平成15年11月22日から24日にかけて、第四回イワクラサミットが開催されたのであるが、ふるさとセンターのホールに立ち見が出来るほどの参加者で500名を超える人々が全国各地からやってきたということだ。当日のことはホームページ「イワクラ学会関連情報」や「磐座みい~つけた新聞」等で詳細を知ることが出来る。 

  ここで、すこし、イワクラ(磐座)学会の沿革に触れておきたい。イワクラサミットは、平成11年に岐阜県山岡町で第一回がもたれ、平成12年第二回を高知県土佐清水市、平成13年第三回は福島県飯野町で開催されている。4回のサミットを経て、平成16年5月に『イワクラを世に広め、古代の民族遺産であるという認識を得るために、さらには世界の共通語としていくための活動をする目的』で、奈良県新公会堂で400名の参加者を得てイワクラ(磐座)学会創立記念大会が開かれ、昨年は、7月16~17日に宮崎県立西都原考古博物館で総会が行われた。本年の総会は、三重県鳥羽市で5月27~28日に開催されている。

 さて、山添村のイワクラ(磐座)についてであるが、ホームページ『山添村いわくら文化研究会』に大字名・名称・写真・解説・備考という整理の仕方で、紹介されているのでご覧いただきたい。 山添村の磐座については、他のホームページ(『山添村の聖石群』)に、さらに詳細な報告がある。

 いよいよ、今回のツアーに入っていきたい。平成15年のサミットの2日目と3日目に行われた現地視察の対象地とできるだけ重ならないような配慮をし、①イワクラと神社の発生、②中峰山のイワクラ群,③神野山と鍋倉渓のライトアップの3点に主眼を置いたコースを計画したとのことであった。 まず、最初に訪れたのは、「天王の森」で、奈良市から山添村に入って、まもなくのところにあった。山添村の西端を流れる布目川につくられた布目ダムの上流の端に位置し、ちょうど橋のたもとにあった。約20メートル位の小山で、ダムもなく橋も作られていない時代には、頂上部にある数個の巨岩を川沿いの道から仰ぎ見るような形になっていたはずであり、信仰の対象として威厳もあったであろうが、現在は、頂上がほぼ橋の高さと同じになってしまい、山も一部が橋の橋梁部分に取り込まれているようで、景観が大きく損なわれてしまっていた。 配布資料には、「山添村史」の中にある以下のような一節が紹介されていた。「一種の巨岩崇拝と考えられ、山頂の巨石群に牛頭天王を勧請したので天王の森と呼ばれ、古くから神聖禁忌の地である」山添村には、各地に、牛頭天王を祭る場所があるらしい。

 次に行ったのは、「水神の森」で、先ほどの橋を逆戻りに歩いて渡り、布目川沿いを数十メートル上流に行った所である。同じく配布資料に「村史」の、その箇所を抜粋して載せてくれていた。 「布目川の中にあり、原生林に覆われた周囲100メートルの島である。下流には八丈岩と称する約17メートルの自然石による遙拝所がある。(中略)地域を水害から守るため水鎮の神として祭祀されたもので、近郊の信仰を集めており、毎年一回(7月)水神さん祭りが催され、近郷住民の憩いの場となる」 残念ながら、あたり一面大きな岩がゴロゴロしており、八丈岩を確認する所まで近づくことができなかったし、周囲の明確な島というような感じを抱くことも出来なかった。ただ川の中に、鬱蒼とした森はあったが、周囲の山と渾然一体となっているようにも見えた。

 次に向かったのは「六所神社」であるが、バスで、曲がりくねりながら非常に細い山道を登っていった。六所神社も、先の天王の森や水神の森と同じ大字峰寺地内である。六所神社は、氏神山を背後にかかえ、本殿が磐座(いわくら)と思われる巨石の上に建てられているのが特徴で、『延喜式』の天乃石吸神社ではないだろうかとも言われている。神社の成り立ちが納得できる形式である。境内には、磨崖仏の「毘沙門天像」や「不動明王」、「お百度石」「金毘羅碑」「行者石像」「観音石仏」「地蔵石仏」などの多数の石造物があるらしい。「山添村史」の内容は以下の通りである。「昔、神の降臨された巨岩をご神体としたが、後世その上に社殿を造営したといわれる。(中略)境内には、牛頭天王を祭る杵築神社、弁財天を祭る宗像神社、戎子大明神を祭る恵比寿神社などがある。巨岩に刻みつけられた不動明王像(建武5年=1338)は村指定文化財である」 (次回に続く)

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コメント

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投稿: | 2007年7月19日 (木) 19時06分

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投稿: | 2007年8月 8日 (水) 17時19分

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